簿記における取引の範囲

簿記における取引というのは、現金・預金・商品・建物・車両などの資産や借入金・買掛金などの負債の増減があった時、売上などの収益や仕入・給料・各種支払などの費用が発生した時です。

そのため取引の範囲となる事項が日常における取引の範囲とは若干異なります。

 

簿記で取引になるのは色の付いた円内の事柄です。

火災や盗難などは通常取引とは言いません。しかし、火災で建物が消失した場合は資産である建物が無くなった訳ですから、資産が減少した事になり記帳の対象となるので、簿記における取引となります。

また、現金を盗まれた場合も通常取引があったとは言いませんが、資産である現金が減った訳ですからこちらも記帳の対象となり、簿記では取引になります。

 

2つの円の共通部分「商品売買・各種支払など」は日常でも取引と言いますし、売上などの収益や仕入・給料などの費用が発生している事柄で記帳の対象であり簿記でも取引です。

 

そして円の色の付いていない部分「商品売買の約束など」は日常では取引の範囲と考える事柄と思います。

しかし、商品売買の約束だけでは現金・預金・商品などの資産や買掛金などの負債の増減は無いですし、売上などの収益や仕入・支払などの費用も発生していません。そのため記帳の対象事項ではなく、簿記では取引になりません。

 

以上、簿記における取引は日常の取引の範囲とは若干異なる事が分かると思います。