総合原価計算 月初仕掛品あり(平均法)

総合原価計算(平均法) 月初仕掛品あり

同じ規格の製品を毎月生産するときに用いる平均法による総合原価計算の仕方です。

直接材料費は製造開始時に全て投入し、加工費は進捗度に比例するものとします。製造原価の計算方法は直接材料費と加工費それぞれで計算し合計して求めます。

 

平均法は月初仕掛品と当月投入分が平均的に完成したと考えます。直接材料費と加工費それぞれの平均単価を計算し、月末仕掛品数と完成品数をかけて月末仕掛品原価及び完成品原価を計算します

総合原価計算 直接材料費の計算

【直接材料費の計算】

平均単価を計算する

事例の通り月初仕掛品は10個で100円、当月投入は90個で990円なので月初仕掛品と当月投入の1個あたりの直接材料費の平均は、(100円+990円)÷(10個+90個)=10.9円となります。

 

月末仕掛品原価を計算する

1個あたり直接材料費の平均単価は10.9円で月末仕掛品数は20個なので、10.9円×20個=218円となります。

 

完成品原価を計算する

1個あたり直接材料費の平均単価は10.9円で完成品数は80個なので、10.9円×80個=872円となります。

総合原価計算 加工費の計算

【加工費の計算】

月初と月末の仕掛品換算量を計算する

上記の通り加工費は進捗度に比例するので、仕掛品が完成品何個分になるかの換算量を計算します。

月初仕掛品は10個で進捗度は60%なので、10個×60%=6個となり、月末仕掛品は20個で進捗度は40%なので、20個×40%=8個となります。

 

当月投入換算量を計算する

当月投入換算量は完成品数に月末仕掛品換算量を足し月初仕掛品換算量引いて求めるので、80個+8個-6個=82個となります。

 

平均単価を計算する

月初仕掛品換算量は6個で加工費が600円、当月投入換算量は82個で加工費が8,200円なので、(600円+8,200円)÷(6個+82個)=100円となります。

 

月末仕掛品原価を計算する

1個あたり加工費の平均単価は100円で月末仕掛品換算量は8個なので、100円×8個=800円となります。

 

完成品原価を計算する

1個あたり加工費の平均単価は100円で完成品数は80個なので、100円×80個=8,000円となります。

総合原価計算 完成品原価と月末仕掛品原価の計算

【完成品原価の計算】

完成品原価は直接材料費完成品原価と加工費完成品原価の合計で計算するので、872円+8,000円=8,872円となります。製品1個あたりの原価は完成品原価を完成品数で割るので、8,872円÷80個=110.9円となります。

 

【月末仕掛品原価の計算】

月末仕掛品原価は直接材料費月末仕掛品原価と加工費月末仕掛品原価の合計で計算するので、218円+800円=1,018円となります。

 

 

以上、平均法による総合原価計算の計算の仕方でした。